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革新的で実験的なサウンド
GRANRODEOの新作「FAB LOVE」が5月15日に発売する。
待ちきれなくて何かふわふわしているじゅん。
よろしくどうぞ。
この期待感を放出するために、前回のミニアルバムをもう一度手に取って聴いてみた。
ミニアルバムのタイトルは「M・S COWBOYの逆襲」。
凄いタイトルである。
GRANRODEOには「modern strange cowboy」という楽曲あるのだが、それを意識してタイトルをつけたのだと思う。
GRANRODEOの凄さは、とにかく”新しさ”を追求しているところ。
それはシングル曲になるほど如実に現れているのだが、とにかく今までにない音符やリズムがこれでもかというくらい散りばめられるのである。
聴けば聴くほど、KISHOWさんのボーカルがクセになり、e-ZUKAさんのギターに酔いしれる。
そして例にもれずこの「M・S COWBOYの逆襲」も素晴らしい出来。
「 M・S COWBOYの逆襲」レビュー
このアルバムは全部で6曲入りで、うち2曲がインストゥルメンタルとなっている。
歌モノアーティストの場合、どうしてもインストは影に隠れてしまいがちだが、今回のアルバムは全体を通してとてもクオリティの高いものとなっている。
それでは行ってみよう!
表題曲は珍しくファンキーなナンバー
表題曲の「M・S COWBOYの逆襲」は、GRANRODEOには珍しいファンキーな楽曲で、KISHOWさんのフェイクの入れ方神がかっていた。
歌の上手い人ってフェイクもめちゃくちゃ上手いよな・・・
それにe-ZUKAさんのギターソロはジェフベックばりのアーミングプレイを聴かせてくれる。
この曲で特に印象に残った歌詞がある。
あの頃は良かった become 言うけれど
10年後もまだ言ってるつもりかい?
私は昔から、年長者の昔は良かったという言葉が苦手だった。
今を否定するということは、今を生きる私達を否定しているという風に聞えるからだ。
もちろん、私は今が好きなわけではない。
しかし、昔の方が良かったとは思わない。
人生は苦難の連続で、それは今も昔も変わらないから。
KISHOWさんはどういう意味を込めて歌詞を書いたのかは想像でしかでないけど、「昔の~(音楽グループ)は好きだったけど、今はなぁ・・・」というのが口癖の人に向けて言っているのかなと勝手に想像していた。
もう一つKISHOWさんらしさがうかがえる歌詞がある。
We gonna do be wanna do
解き放たれたような feelin’ が愛しい
KISHOWさんはインタビューで自分のパフォーマンスについて聞かれたときに頭で考えずに感覚でやっている、というようなことを言っていた。
また、ライブでのパフォーマンスは本当に天才的でかっこいいのだが、練習をめちゃくちゃしたという感じを絶対に見せない。
ボイストレーニングにも行ったことがないし、リハーサルが嫌いという点からもそれが伺える。
つまりKISHOWさんの内から出るFeelingが、観客を魅了しているのである。
まさに音楽から愛されているといっていいと思う。
話を戻そう。
表題曲の前に「Overture 2009」というイントゥルメンタルが入っていてどういう意味だろうと思っていたが、「modern strange cowboy」が発売されたのが2009年だから、あぁなるほどと。
overtureは少し調べてみると音楽的な意味で「序曲」という意味があるみたい。
なので「modern strange cowboy」の始まりが2009年だよといったことを言いたいんだと思う。
東方系を彷彿とさせる革新的な一曲
3曲目に収録されているのは「いつかのクーデター」という曲。
こちらもGRANRODEOには珍しいピコピコした音を使っている楽曲。
基本的にはハードロックなのだが、どこか今の音楽を継承しているような響き(東方系?)である。
そういった意味でもe-ZUKAさんの挑戦が垣間見える楽曲。
アニソン界のトップアーティストは伊達じゃない
そして、4曲目に収録されているのが衝撃の楽曲「Imaginary song」。
あれ?なんかこのタイトル見たことないか?と思ったあなたはそこそこの音楽通でしょう。
そう、Led Zeppelinの名曲「Immigrant Song」だ。
明らかにこの曲の意識して作られていることが分かる。
なぜなら、タイトルに加え、曲入りのドラム似ていることと、ボーカルが超高音というところが同じだから。
オマージュに近いものを感じる。
おそらくGRANRODEO楽曲の中で一番キーが高い楽曲だ。
途中でシャウトが入るが、正直この高さをこの太さで歌える歌手は見たことない。
この太さとクオリティはもうレベルが違う。
もうとっくに、アニソンバンドというだけでなく、ロックバンド、メタルバンドとして認知されているGRANRODEOだが、これを歌われてしまったらもう何も言えないだろう。
X JAPANのYOSHIKIさんの番組で、紅を半音上げで歌うというすさまじいことをやってのけたKISHOWさん、やはりすごい。
KISHOWさんのすごさは、超高音楽曲を高音と感じさせないところ。
あまりに太く、余裕をもってうたわれるから耳が錯覚するのである。
この曲を初めて聴いたとき、あまりの高さに驚いたのと同時に、KISHOWさんの声が心配になったほどだった。
この曲はe-ZUKAさんとKISHOWさんでちゃんとキー合わせしたという話だったので、無理にというわけではなかったらしいから少し安心したのを覚えている。
5曲目の「Vengeance」はボーカルのないイントゥルメンタルで、e-ZUKAさんのギターがとてもフィーチャーされている。
e-ZUKAさんならではのスライドやチョーキング、スイープといったギター奏法を散りばめた楽曲で、コピーするのはなかなか難しそうだがとても刺激を与えてくれる楽曲。
アニメ業界では、ある意味で曲に派手さが求められるが、e-ZUKAさんはRockとその派手さをうまく融合し革新的な楽曲をたくさん世に出してきている。
そして、そこで繰り出されるギタープレイはe-ZUKAさんならではのもので、最近はなんとなくだが他のアーティストの曲でも、これe-ZUKAさんギター弾いてね?(e-ZUKAさんはスタジオミュージシャンでもあります)って分かるようになってきた気がする。(あくまで予想だがほとんど確信)
心の風向きを自分で決める
そして最後の曲である「odyssey ~そのなんとなくを知りながら~」は、胸にくる壮大なバラード。
世界の優しさだとか せつない胸の風向きは
誰彼なく自分で決めよう
本当にこれ、略して本これ。
世界はこんなにも素晴らしいとか、こんなにも残酷だとか、そんな情報に踊らされるのは私自身もうたくさんだと思う。
世間的に正しいとか間違っているとかを気にして生きていても良いことはない。
まぁ、結局何が良いかというと、善悪は自分で決めろということ。
他人を基準にして生きると遠かれ少なかれ裏切られる時がくる。
まぁ、その時初めて学べるともいえるかもしれないが。
世間的に無駄だと言われていることでも、自分がそれに価値を見出していればいい。
まとめ
今回のアルバムも例にもれず革新的な一枚となったわけだが、GRANRODEOの今後の方向性はどうなっていくのだろう。
もうかなりの種類の楽曲をやっていて、素人目で見るともうやりきってしまったのではないかと思ってしまうことがあるが、本当に毎回新しさがあり最高に五感を刺激してくれる楽曲を作るのはすごいことだと思う。
いろいろ熱く語ってしまったが、GRANRODEOファン歴10年としてはいろいろ感慨深いところもあり、今回は記事にさせていただいた。
私にとって音楽の素晴らしさ、ライブの素晴らしさを教えてくれたのはGRANRODEO以外には存在しない。
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