音楽レビュー

ロックとアニソンの超融合!「普通」に飽きたらMintJamを聴こう!

 

MintJamと聞いて、読者は何を思い浮かべるだろうか?

すぐにロックユニット、あるいはバンドと答えられる人はほとんどいないだろう。

「ミントのジャム?そんなのあったっけ?美味しいん?」

だいたいこんな感じだと思う。

しかし、実際は決してパンに塗るあのジャムではなく、知る人ぞ知るギターのa2cとボーカル「TERRAによるロックユニットなのだ

MintJamはエモーショナルで熱いロックを中心に、バラードやジャジーなアレンジをした楽曲など幅広い音楽を行っている。

主にアニメ・ゲーム系の業界で活躍しているグループだ。

それぞれ個人としても幅広い活動をしていて、

a2c」はfripSide「only my railgun」のギターレコーディングや、ライブサポート、その他アーティストへの楽曲提供などで活躍していることで有名である。

TERRA」はパワフルでピッチの良いボーカルを活かし、「アクセルワールド」を筆頭にアニメ・ゲーム関連の楽曲のボーカルや、ディレクションなどを行っている。

もう少し詳細な情報を知りたいという方は、ぜひ公式サイトのプロフィールを見てほしい。

アーティスト活動だけでない、二人のクリエイティブな部分もたくさん知れるだろう。

公式のYouTubeチャンネルでは、MintJam楽曲の弾いてみたや視聴動画なども公開されているので、アニメ・ゲームファンだけでなく、ギタリストは特に必聴だ。(※下記リンクをクリックするとチャンネルへ飛びます)

a2c [MellowJamStudio]

MintJamMovies

 

さて、今回の記事では、彼らのキャリアの中で大きなファクターとなっている「アニソン・ゲーソンのカバー」に焦点を当てて紹介していこうと思う。

 

Rewrite主題歌のMintJamバージョンとは?

1年ほど前、私が妙にアニメ関連CD収集に熱中していたころ、なにか掘り出し物はないかと秋葉原のアニメショップを散策していた時に見つけたのが、MintJamの「Philosopphyz/闇の彼方へ」だった。

 

◎『Philosopphyz視聴動画

 

◎『闇の彼方へ』視聴動画

 

CDのパッケージは若い男女(アニメ絵)が背中合わせで描かれており、男は上向き、女は下を向いているのが、非常に哀愁漂うイラストである。

実はこれ、「Key」というゲームブランドが手がけた「Rewrite」という作品のキャラクターだ。

「Rewrite」は、自分を書き換える(強くする)特殊能力を持った主人公が、悲しい過去と宿命を背負うヒロイン達を救っていく恋愛シュミレーションゲームで、2016年7月からアニメ化もされた人気作。

私は、ゲーム・アニメ共に視聴済みで、Keyの作品の中でも名作「CLANNAD」の次に好きな作品だ。

Philosopphyz/闇の彼方へ」はこの「Rewrite」のテーマソングで、元は「NanosizeMir」というグループが担当している。

私がアニメショップで見つけたCDは、MintJamが「Philosopphyz/闇の彼方へ」をカバーしたものだった。

推測にすぎないが、NanosizeMirの原曲は「a2c」が編曲を行っているため、その繋がりからMintJamでもカバーしようということになったのだろう。

 

MintJamのゲーソンカバーに衝撃を受けた学生時代

私が初めてMintJamを知ったのは、さかのぼると高校3年の卒業間近。

当時同じクラス・同じ部活だった友達にお勧めのCDがあるということで聴かせてもらった時が最初だ。

正直、アニメ・ゲーム系のアーティストに関してはだいたい知っているぐらいの自信はあったので、MintJamを初めて聴いた時は本当に驚いたのを覚えている。

その時聴いたのはKey関連のカバー曲(Alicemagicなど)で、他では聞いたことがないくらいの個性の強さだった。

MintJamの、これでもかというくらい太いギターサウンド、頭に焼き付くメロディー、パワーのあるボーカルは私に衝撃を与えた。

今、MintJamのようなアニメソングやゲーム関連の男性ロックユニットというのは非常に数が少ない。

しかし、その筆頭であるGRANRODEOが好きだった私としては、系統は違うものの、MintJamにもかなり夢中になった。

そんな出会いからしばらく時間が経ち、今回アニメショップで見つけた「Philosopphyz/闇の彼方へ」についても、存在は知っていた。

すぐに購入しなかったのは、以前は入手手段が限られていたからだ。

というのも、存在を知った当時、(おそらく)Amazonなどの大手通販サイトには置いていなかった。

その頃はまだ働く前でクレジットカードを持っておらず、ネットで何かを買うにも、両親にお金を渡したうえで、両親に購入してもらうという手法をとっていたのである。

なので基本的に両親が登録していたAmazon以外では購入が出来なかった。

MintJamは当時、HPからの注文が主流だったはずなので、当時入手出来なかったのは、致し方なかったとも言える。

そんなこんなで、まぁいずれは・・・と思いつつも、先延ばし状態となり、再び出会ったのがこのときだった。

 

MintJamのすごさは演奏・ボーカル技術とMIXにあり!

さて、セルフカバー的な意味合いもあるこのCDだが、侮るなかれ・・・。

原曲も素晴らしいが、こちらもなんちゃってカバーなどではなく、完成度は凄まじく高い。

極太のギターサウンドとパワーのあるボーカルは圧倒的で、ちょっと他では聞くことが出来ないレベルだ。

MintJamといえば、メロディアスなギターリフ(繰り返し弾かれ曲を印象付ける顔となるフレーズのこと)が印象的で、「Philosopphyz」も例にもれず、素晴らしいイントロのギターである。

また専門的なことは分からないのだが、素晴らしい演奏に加え、楽器それぞれの音作りや、曲全体のMix作業などもとても精巧になされていると思う。

私のような素人が聴いても、楽器の音の解像度が高く、とにかく音圧がすごいのが分かるというのが注目するところだ。

ギターの「a2c」、ボーカルの「TERRA」がどちらも楽器やボーカルだけでなく、こういった編集作業についても卓越した技術を持っているというのは驚く点だろう。

正直、こんなスーパーユニットは他にはないし、MintJamはもっと認知されるべきだと個人的には思う。

次に、「Philosopphy」の作詞はMintJamではないが、歌詞についても触れておこう。

Philosopphyzの、「Philosopphy」は哲学という意味である。

語尾についているzはどういった意味を表すのか英語を勉強不足な私には分からない。

しかし、それを承知の上で言葉にするなら「違法な哲学」あるいは「書き換える哲学」とでも訳そうか

歌詞には、「書き換える」や、哲学的な「生きる意味」というワードも含まれているため、あながち間違ってはいないだろう。

Rewriteでは、悲しい過去をもつヒロイン達がそれぞれどのように生きていくかということに、非常に重きを置いている。

重要な使命を受けている者、その体質からある種の迫害を受けていたもの、小さい頃から戦闘の訓練をさせられていたもの。

そういった枷(人生)とどう向き合っていくのか、それがRewriteの魅力であり、OPとEDにはそれをより魅力的に引き立たせる力が必要だった。

原曲の「Philosopphy」は、物語全体を盛り上げるための激しいロックサウンドといった感じだが、女性ボーカルということもあり包容力のある暖かい感じだ。

MintJamバージョンでは、力強いボーカルとギターサウンドから、より男らしく、Rewriteの主人公視点で聴くことが出来るように思う。

 

MintJamの真骨頂はオリジナル曲だ!

MintJamを知るのは、もしかすると私のようにカバー曲からかもしれない。

しかし、その後ぜひ聴いてほしいのがMintJamのオリジナル曲だ。

冒頭に書いたように、YouTubeの公式チャンネルでオリジナル曲の弾いてみたが公開されているので、それをまず観てみるのが良いだろう。

私がおすすめの動画を貼っておくので、ぜひ参考にしてみてほしい。

 

MintJam ”Liberation” session

この動画では、「a2c」だけでなくボーカルの「TERRA」とのsessionが聴ける。まず最新のここから観てみるのが良いだろう。

 

G5 2010 “Gratitude”

こちらはインスト楽曲だが、個人的にかなりエモく名曲だと思う。素晴らしい演奏なのでぜひ観てほしい。

 

◎【AIきりたんオリジナル曲】starting over (feat. AI kiritan) / MintJam【NEUTRINO】

こちらは、今流行のAIきりたんにオリジナル曲を歌わせたもの。曲の良さもさることながら、最後に「TERRA」が歌っているバージョンも流れるので、それと聴き比べが出来てなかなか面白い。

 

どうだろう?

この記事を読んでMintJamに興味を抱き、動画を観て完璧にハマってしまったという方もなかにはいるかもしれない。

そんな方は、こちらのMintJam主要曲がたくさん収められているCD「Keep on Jamming」が入門としておすすめなので、ぜひ聴いてみてほしい。

 

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